AxelGlobe 画像仕様書

改訂履歴

バージョン 改定日 改定内容 特記事項
1.00 2020-12-01 初版
1.10 2020-06-10 サービス改訂に関する更新
1.20 2020-08-27 2.1項の追加。バンド/レイヤの言葉の定義を修正
1.30 2020-10-13 3.2.3項、3.3.3項のファイル構成の変更
1.40 2021-12-13 3.4項のメータデータにオフナディア角を追加
1.50 2023-03-01 3.5項の追加

1. はじめに

1.1. 本書の目的

本書はアクセルスペースによって運用されるGRUS衛星で撮影されるリモートセンシング画像プロダクトに関して解説するものです。なお、本画像プロダクトの仕様は今後予告なく変更される場合があります。

1.2. AxelGlobeについて

AxelGlobeは多数機の超小型衛星により世界のあらゆる地域を高頻度に観測する次世代の地球観測プラットフォームです。2.5mの分解能で地球上の全陸地の約半分をデイリーに撮影することのできる観測網を構築し、世界の最新の情報を知るだけでなく、データを蓄積し比較することで、これまでには知ることができなかった地球上の変化とその先の未来への洞察を提供することを目指しています。 2021年6月現在、AxelGlobeコンステレーションを構成する衛星は5機となっており、今後継続的に追加される予定となっています。

2. GRUS衛星について

GRUS衛星とはAxelGlobeコンステレーションを構成する超小型地球観測衛星の名称です。GRUS衛星には反射光学望遠鏡が2つ搭載されており、撮影幅を拡大することに寄与します。これにより2.5mという高解像度と55km以上という広い観測幅の両立を達成しています。

GRUS satellite illustration

以下の表1にGRUS衛星についての詳細を示します。

表 1 GRUS衛星システム仕様

項目 内容
衛星数 5機 (2021年8月現在)
設計寿命 5年 以上
衛星高度 585 km, 太陽同期準回帰軌道
赤道通過時刻 10:40-11:00 (地方時)
スペクトルバンド バンドID 名称 スペクトルバンド(nm)
バンド0 パンクロマティック 450-900 nm
バンド1 450-505 nm
バンド2 515-585 nm
バンド3 620-685 nm
バンド4 レッドエッジ 705-745 nm
バンド5 近赤外 770-900 nm
地上分解能(直下撮影時)

パンクロマティック: 2.5 m 以下

マルチスペクトル: 5.0 m 以下

撮影幅 55km 以上
最長撮影距離 1,000 km
センサービット深度 12ビット

2.1 スペクトルバンド、相対分光感度、ESUN

GRUS RSR

GRUS RSR

データ

3. AxelGlobe 製品仕様

3.1 GRUS衛星画像製品

アクセルスペース社が提供するGRUS衛星の画像製品の種類と概要を表2に記します。

本画像製品は、AxelGlobe Cellという約5km×5kmのタイルで構成された製品です。本製品は位置情報と地図投影を必要とするアプリケーション向けの製品です。本画像製品はセンサ補正、幾何補正、地図投影を施したデータです。独自の技術により基準となるベースマップから地上基準点(GCP)を抽出するほか、自動的な地上基準点(GCP)抽出が困難な地域に関しては従来の手法も組み合わせ地理的な補正を適用しています。画像製品の位置精度は、使用したGCPに依存するため地域ごとに異なる場合があります。

また、解析に適さない領域(有効画像範囲外のブラックフィル領域やデータ欠損領域、雲に覆われた領域)を示すマスクデータがアンユーザブルデータマスクファイル(UDMファイル) として付属します(2020年10月14日以降に生成されたプロダクトが対象です)。

表 2 GRUS衛星画像製品の種類

Product name content
マルチスペクトル画像製品(MSI) センサ補正と幾何補正を施したデータです。製品の地上解像度は、2.5m (パンクロマティック)、5.0m (マルチスペクトル)となっています。製品の位置精度は10mRMSEを目標としています。
相対/絶対ラジオメトリック補正を施しております。
ピクセル値は大気上端の反射率を整数値にスケーリングし符号なし16ビット整数で表現した値となっております。
サーフェスリフレクタンスプロダクト(SR) この製品はマルチスペクトル画像製品と同じ特性を持ち、各ピクセル値に適用される大気補正が追加されています
トゥルーカラー画像製品(TCI) センサ補正と幾何補正、パンシャープン処理を施したデータです。製品の地上解像度は、2.5m となっています。製品の位置精度は10mRMSEを目標としています。
ビジュアル用途に色調補正>を施し符号なし8ビット整数にスケーリングしております。

次の図は、UDMファイルによってマークされた画素を示したものです。

TCI 無効データ領域 (ピンク) 雲領域 (青)

3.2. マルチスペクトル画像製品(MSI)

マルチスペクトル画像製品は、広い波長に感度をもち2.5m 解像度であるパンクロマティック画像と、5つの波長ごとに分けられた 5m 解像度のマルチスペクトルの画像が含まれる製品です。この画像製品では全てのセンサ起因のパターンノイズなどの不自然な画素を補正し、値を大気上端の反射率(Reflectance at top-of-atmosphere)に変換してあります。

3.2.1. マルチスペクトル画像製品仕様

マルチスペクトル画像製品は表 3に記す内容が含まれています。

表 3 マルチスペクトル画像製品仕様

製品属性 内容 説明
製品構成と形式 パンクロマティック画像ファイル

AxelGlobe Cellで分割された16ビットのパンクロマティック画像データ。 GeoTIFFフォーマット、またはJPEG2000フォーマット

レイヤ割り当て
レイヤ1: バンド0 (パンクロマティック)

マルチスペクトル画像ファイル AxelGlobe Cellで分割された16ビットのマルチスペクトル画像データ。GeoTIFFフォーマット、またはJPEG2000フォーマット

レイヤ割り当て
レイヤ1:バンド1(青)
レイヤ2:バンド2(緑)
レイヤ3:バンド3(赤)
レイヤ4:バンド4(レッドエッジ)
レイヤ5:バンド5(近赤外)

アンユーザブルデータマスクファイル (UDM ファイル)

画像内の解析目的に適さない領域を示すバイナリ画像データ。GeoTIFFフォーマット、またはJPEG2000フォーマット
解像度は当該製品の解像度と一致します。

レイヤ割り当て
レイヤ1:無効データ領域
レイヤ2:雲領域

デジタルナンバー割り当て

レイヤ1
無効データ領域:1
無効データ以外の領域:0

レイヤ2
雲領域:1
雲以外の領域:0

メタデータファイル パンクロマティック画像ファイル、マルチスペクトル画像ファイル、およびアンユーザブルデータマスクファイルのメタデータ。JSONフォーマット。
製品フレーム AxelGlobe Cell 全世界を約5km×5kmのAxelGlobe Cellに基づく画像グリッド系に分割され、4辺にはそれぞれ約100mのバッファ(隣接セルとのオーバーラップ領域)が付加されます。
撮影された画像がセルの全領域を満たさない場合、満たさない領域はブラックフィル(black-fill)になります。ブラックフィルはNo Data値(0)が割り振られます。
製品解像度

2.5m (パンクロマティック)

5.0m (マルチスペクトル)

センサ解像度は撮影時の条件(主に撮影角度)により異なりますが、製品生成時に所定のピクセルサイズにサンプリング処理を施します。
ビット深度 16bit符号なし整数 GRUS衛星画像は最大12ビットの量子化ビットとして衛星のオンボードメモリに格納されます。センサから直接得られた相対デジタル値はラジオメトリック補正により大気上端における反射率に変換され、結果が16ビットのダイナミックレンジにスケーリング(10,000倍)されます。
(※3.2.4ラジオメトリック補正参照)
リサンプリング 最近傍法(Nearest Neighbor) 最近隣内挿法でリサンプリング処理を行います。これは参照する位置に最も近い画素値を採用する補間法です。オリジナルの情報を保持しやすいため、より厳密な解析処理が必要な利用用途に適したリサンプリング手法となります。
幾何補正 センサモデル センサーオプティックスに起因する光学的歪み補正
バンド間レジストレーション バンド間の位置ずれがないように調整するバンド間レジストレーション補正
地理的な補正 撮影された画像と既存の衛星画像データ(ベースマップ)との間で対となる特徴的な地形や地物を自動的に抽出します。抽出した地形や地物を基準点に対応するそれぞれのベースマップの基準点との間の対応をとり、画像全体のベースマップに対する位置ずれを軽減させる処理を行っています。
ラジオメトリック補正

検出素子間のラジオメトリック特性の相対値差分の補正

未応答の検出素子からのNULL値に対する未検出ディテクタフィリング

校正係数に基づく大気上端の反射率値への変換

大気上端の反射率値を16ビット符号なし整数値へスケーリング(10,000倍)

測地系 WGS1984
座標系 ユニバーサル横メルカトル図法(UTM) 地球を180°経線から東回りに6°毎に経度帯に区分し、経度帯毎に中央の経線を中央経線として回転楕円体から直接平面に投影する横メルカトル図法です。ゾーンは撮影開始時の南西端座標を基準として決定されます。

3.2.2. ファイル命名規則

マルチスペクトル画像製品は以下の命名規則に従ってファイル名が付けられています。ファイル名は、製品に含まれる情報の整理、分類、参照に役立ついくつかの構成要素を含みます。

<SatelliteName>_<AcquisitionDatetime>_<ProductLevel>_<ImageType>_<CellID>.<Extention>

表 4 ファイル命名規則

ファイル名構成要素 説明
<SatelliteName> 衛星名略称(例:GRUS-1A = GRUS1A)
<AcquisitionDatetime> 撮影開始日時をyyyymmddhhmmssの記述形式にて記載する。(例:2018年1月2日11時32分54秒 = 20180102113254)
<ProductLevel> L1C
<ImageType> イメージタイプ 記載内容
パンクロマティック PAN
マルチスペクトル MSI
パンクロマティック アンユーザブルデータマスクファイル PAN_UDM
マルチスペクトル アンユーザブルデータマスクファイル MSI_UDM
<CellID> AxelGlobe Cell の固有ID
<Extention> 画像ファイル拡張子(例:GeoTIFF:tif)

3.2.3 ファイル構成

マルチスペクトル画像製品は次のファイル構成で提供されます。

EULA_en.txt                                             # ライセンスファイル(英語)
EULA_jp.txt                                             # ライセンスファイル(日本語)
GRUS1A_20200811011052                                   
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_MSI_N42092355.tif          # マルチスペクトル画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_MSI_N42092354.tif          # マルチスペクトル画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_MSI_metadata.json          # マルチスペクトル画像メタデータ
│
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_MSI_UDM_N42092354.tif      # マルチスペクトル アンユーザブルデータマスクファイル
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_MSI_UDM_N42092355.tif      # マルチスペクトル アンユーザブルデータマスクファイル
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_MSI_UDM_metadata.json      # マルチスペクトル アンユーザブルデータマスクメタデータ
│
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PAN_N42092354.tif          # パンクロマティック画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PAN_N42092355.tif          # パンクロマティック画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PAN_metadata.json          # パンクロマティック画像メタデータ
│
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PAN_UDM_N42092354.tif      # パンクロマティック アンユーザブルデータマスクファイル
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PAN_UDM_N42092355.tif      # パンクロマティック アンユーザブルデータマスクファイル
└─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PAN_UDM_metadata.json      # パンクロマティック アンユーザブルデータマスクメタデータ

3.2.4 ラジオメトリック補正

GRUS衛星画像製品のラジオメトリックに関する品質を確保するため、世界中にある地上校正サイトを定期的に観測し、相対・絶対校正を行っています。

すべてのGRUS衛星画像は12ビットで収集され、最大12ビットの量子化ビットとして衛星のオンボードメモリに格納されます。地上処理でのラジオメトリック補正にて16ビットのダイナミックレンジにスケーリングされます。これによりセンサから直接得られた相対ピクセルデジタル値は絶対ラジオメトリック補正により大気上端における反射率に変換され、スケーリングを行ったあとに16ビットの画像として保存されます。

マルチスペクトル画像製品のピクセル値は以下の式により大気上端の反射率に変換することができます。

      REF(i)=DN(i)* ScaleFactor(i)
      ただし ScaleFactor(i) = 0.0001

 ここで
 i: バンド番号
 REF:大気上端の反射率
 DN:ピクセル値

また、大気上端の反射率(REF)は以下の式により大気上端の放射輝度に変換することができます。

      RAD(i) = REF(i) * (ESUN * cos(90 - solar_elevation_angle)) / (PI * (sun_earth_distance^2))

 ここで
 i: バンド番号
 REF: 大気上端の反射率
 RAD: 大気上端の放射輝度

3.3. トゥルーカラー画像製品(TCI)

トゥルーカラー画像製品はビジュアル用途に最適化された色調補正済みトゥルーカラーパンシャープン画像製品です。この画像製品では全てのセンサ起因のパターンノイズなどの不自然な結果を補正し、ピクセル値をビジュアル用途向けに補正してあります。

3.3.1 トゥルーカラー画像製品仕様

トゥルーカラー画像製品は表5に記す内容が含まれています。

表 5 トゥルーカラー画像製品仕様

製品属性 内容 説明
製品構成と形式 パンシャープン画像ファイル

AxelGlobe Cellで分割された8ビットのパンシャープン画像データ。GeoTIFFフォーマット、またはJPEG2000フォーマット

レイヤ割り当て
レイヤ1:バンド3 (赤)
レイヤ2:バンド2 (緑)
レイヤ3:バンド1 (青)

アンユーザブルデータマスクファイル(UDMファイル)

画像内の解析目的に適さない領域を示すバイナリ画像データ。GeoTIFFフォーマット、またはJPEG2000フォーマット
解像度は当該製品の解像度と一致します。

レイヤ割り当て
レイヤ1:無効データ領域
レイヤ2:雲領域

デジタルナンバー割り当て

レイヤ1
無効データ領域:1
無効データ以外の領域:0

レイヤ2
雲領域:1
雲以外の領域:0

メタデータファイル パンシャープン画像ファイルおよびアンユーザブルデータマスクファイルのメタデータ。JSONフォーマット
製品フレーム AxelGlobe Cell 全世界を約5km×5kmのAxelGlobe Cellに基づく画像グリッド系に分割され、4辺にはそれぞれ約100mのバッファ(隣接セルとのオーバーラップ領域)が付加されます。
撮影された画像がセルの全領域を満たさない場合、満たさない領域はブラックフィル(black-fill)になります。ブラックフィルはNo Data値(0)が割り振られます。
製品解像度 2.5 m センサ解像度は撮影時の条件(主に撮影角度)により異なりますが、製品生成時に所定のピクセルサイズにサンプリング処理を施します。
ビット深度 8bit符号なし整数 GRUS衛星画像は最大12ビットの量子化ビットとして衛星のオンボードメモリに格納されます。センサから直接得られた相対デジタル値はビジュアル用途向けに8ビットにスケーリングされます。
リサンプリング 最近傍法(Nearest Neighbor) 最近隣内挿法でリサンプリング処理を行います。これは参照する位置に最も近い画素値を採用する補間法です。
幾何補正 センサモデル センサーオプティックスに起因する光学的歪み補正
バンド間レジストレーション バンド間の位置ずれがないように調整するバンド間レジストレーション補正
地理的な補正 撮影された画像と既存の衛星画像データ(ベースマップ)との間で対となる特徴的な地形や地物を自動的に抽出します。抽出した地形や地物を基準点に対応するそれぞれのベースマップの基準点との間の対応をとり、画像全体のベースマップに対する位置ずれを軽減させる処理を行っています。
ラジオメトリック補正

検出素子間のラジオメトリック特性の相対値差分の補正

未応答の検出素子からのNULL値に対する未検出ディテクタフィリング

12ビット相対デジタル値をガンマ補正により8ビット符号なし整数値へスケーリング

強調処置 Dark Object Subtraction (DOS) 画像内の暗い画素(Dark Object)を用いて大気中の水蒸気やチリなどのノイズを軽減する処置が施されます。
(2020年7月7日以降に撮影された画像に適用)
測地系 WGS1984
座標系 ユニバーサル横メルカトル図法 (UTM) 地球を180°経線から東回りに6°毎に経度帯に区分し、経度帯毎に中央の経線を中央経線として回転楕円体から直接平面に投影する横メルカトル図法です。
ゾーンは撮影開始時の南西端座標を基準として決定されます。

3.3.2 ファイル命名規則

トゥルーカラー画像製品は以下の命名規則に従ってファイル名が付けられています。ファイル名は、製品に含まれる情報の整理、分類、参照に役立ついくつかの記述要素を含みます。

<SatelliteName>_<AcquisitionDatetime>_<ProductLevel>_<ImageType>_<CellID>.<Extention>

表 6 ファイル命名規則

ファイル名構成要素 説明
<SatelliteName> 衛星名略称(例:GRUS-1A = GRUS1A)
<AcquisitionDatetime> 撮影開始日時をyyyymmddhhmmssの記述形式にて記載する。(例:2018年1月2日11時32分54秒 = 20180102113254)
<ProductLevel> L1C
<ImageType> イメージタイプ 記載内容
パンシャープン PSM
パンシャープン アンユーザブルデータマスクファイル PSM_UDM
<CellID> AxelGlobe Cell の固有ID
<Extention> 画像ファイル拡張子(例:GeoTIFF:tif)

3.3.3. ファイル構成

トゥルーカラー画像製品は以下のファイル構成で提供されます。

EULA_en.txt                                             # ライセンスファイル(英語)
EULA_jp.txt                                             # ライセンスファイル(日本語)
GRUS1A_20200811011052
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PSM_N42092354.tif          # パンシャープン画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PSM_N42092355.tif          # パンシャープン画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PSM_metadata.json          # パンシャープン画像メタデータ
│
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PSM_UDM_N42092354.tif      # パンシャープン アンユーザブルデータマスクファイル
├─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PSM_UDM_N42092355.tif      # パンシャープン アンユーザブルデータマスクファイル
└─ GRUS1A_20200811011052_L1C_PSM_UDM_metadata.json      # パンシャープン アンユーザブルデータマスクメタデータ

3.4. メタデータ

製品メタデータの記述内容について以下に記す

表 7 メタデータ記述項目

フィールド 1 フィールド 2 データ型 説明
Company
companyName string 会社名
companyLocation string 所在地
contact string 電話番号
copyright string 著作権(リンク)
processorVersion string 処理設備のソフトウェアバージョン
bundlerVersion string データデリバリーソフトウェアバージョン
processDate string プロダクトを出力した日
EOMetadata
satelliteID string 衛星に付与されたID
satelliteName string 衛星名(正式名称)
orbitType string 衛星軌道の種類(太陽同期軌道)
orbitInclinationAngle double 衛星の軌道傾斜角
orbitDirection string 画像取得時、軌道上の衛星が向かっていた方向
captureID string 1回の撮影イベント(キャプチャー)に対応する一意のID
acquisitionDateTime
acquisitionStartDateTime date 当該撮影イベントの撮影開始日時(UTC)
ISO8601セパレータあり拡張表記にて記載する。
acquisitionEndDateTime date 当該撮影イベントの撮影終了日時(UTC)
ISO8601セパレータあり拡張表記にて記載する。
satelliteOffNadirAngleNominal double 当該撮影イベント時の衛星のオフナディア角(度)のノミナル値
satelliteElevationAngleNominal double 当該撮影イベント時の衛星の撮影仰角(度)のノミナル値
satelliteAzimuthAngleNominal double 当該撮影イベント時の衛星の撮影方位角(度)のノミナル値
solarElevationAngleNominal double 当該撮影イベント時の太陽仰角(度)のノミナル値
solarAzimuthAngleNominal double 当該撮影イベント時の太陽方位角(度)のノミナル値
panchromaticRowGSDNominal double 当該撮影イベント時のrow方向のパンクロマティックGSDのノミナル値。
単位: メートル
panchromaticColumnGSDNominal double 当該撮影イベント時のcolumn方向のパンクロマティックGSDのノミナル値。
単位: メートル
multispectralRowGSDNominal double 当該撮影イベント時のrow方向のマルチスペクトルGSDのノミナル値。
単位: メートル
multispectralColumnGSDNominal double 当該撮影イベント時のcolumn方向のマルチスペクトルGSDのノミナル値。
単位: メートル
GSDUnits string GSDの単位
resamplingAlgorithm string 画像生成で用いられたリサンプリング方式: 三次たたみ込み内挿法 (Cubic Convolution)
radiometricCalibrationApplied Boolean ラジオメトリック補正適用の有無
earthSunDistance double 太陽中心と地球中心間の距離
単位: 天文単位[AU]
absoluteGain
Panchromatic
Blue
Green
Red
Red Edge
Near Infrared
double 観測時デジタル値を大気上端放射輝度[W⋅sr-1 ⋅m-2]に変換する際のGainパラメータ
各バンドごとに記載
ESUN
Panchromatic
Blue
Green
Red
Red Edge
Near Infrared
double 分光太陽照度パラメータ
単位: [mW/m2]
productMetadata
pansharpen Boolean パンシャープン処理の有無:Yes, No
bitsPerPixel string 画像ファイルのビット深度:1U, 8U, 16U
compressionType string 画像ファイルの圧縮方法:NONE, DEFLATE, JPEG2000
outputFormat string 画像ファイルのフォーマット:GeoTIFF, JPEG2000
spatialReferenceSystem
EPSGCode Integer 画像の測地系と投影法に関連するEPSGコード
geodeticDatum String 測地系
projection String 座標系
projectionZone String 座標系のゾーン
layerConfiguration
layerX String

[衛星画像データ]
X番目のレイヤにおけるバンド割当について記載

[その他付属データ]
X番目のレイヤにおけるデータ種別について記載

valueInterpretation 以下項目はアンユーザブルデータマスクのみ記載される
layerX String x番目のレイヤにおけるピクセル値解釈について記載
imageTileMetadata 画像ファイルの数だけ繰り返す
imageName string 画像ファイル名
cellID string AxelGlobe CellのID
imageLocation 撮影範囲情報。単位はプロダクトの座標系に準拠
type string Polygon
coordinates list タイルの境界を構成する座標値(X座標,Y座標)を左下、左上、右上、右下、左下の順に記載
imageLocationUnits string 座標値の単位:meter
rowGSD double タイルのrow方向のピクセルサイズ。単位はプロダクトの座標系に準拠
columnGSD double タイルのcolumn方向のピクセルサイズ。単位はプロダクトの座標系に準拠
GSDUnits string GSDの単位
numberRows Integer 画像の行数(ピクセル数)
numberColumns Integer 画像の列数(ピクセル数)
numberBands Integer 画像のバンド数
cloudCoverPercentage double 雲量率
単位 : %
衛星画像データのみに記載される

3.5. サーフェスリフレクタンスプロダクト

3.5.1. サーフェスリフレクタンスプロダクト仕様

サーフェスリフレクタンスプロダクトは、マルチスペクトルイメージプロダクトに大気補正を加えたものであり、大気補正を使用して大気上部 (TOA) 反射率値を大気下部 (BOA) 反射率に変換しています この製品は、他のデータセットまたは実際の表面反射率値と比較した場合の反射率の精度を向上させ、画像製品から大気の影響を取り除きます。

このプロダクトの仕様は、[Multispectral image product] (#321-multispectral-image-product-specification) の仕様と同じですが、反射率の値は、大気の上部ではなく、大気の下部を参照しています

3.5.2. ファイル命名規則

サーフェスリフレクタンスプロダクトは以下の命名規則に従ってファイル名が付けられています。ファイル名は、製品に含まれる情報の整理、分類、参照に役立ついくつかの構成要素を含みます。

<SatelliteName>_<AcquisitionDatetime>_<ProductLevel>_<ImageType>_<CellID>.<Extention>

表 8 ファイル命名規則

ファイル名構成要素 説明
<SatelliteName> 衛星名略称(例:GRUS-1A = GRUS1A)
<AcquisitionDatetime> 撮影開始日時をyyyymmddhhmmssの記述形式にて記載する。(例:2018年1月2日11時32分54秒 = 20180102113254)
<ProductLevel> L2A
<ImageType> イメージタイプ 記載内容
パンクロマティック PAN
マルチスペクトル MSI
パンクロマティック アンユーザブルデータマスクファイル PAN_UDM
マルチスペクトル アンユーザブルデータマスクファイル MSI_UDM
<CellID> AxelGlobe Cell の固有ID
<Extention> 画像ファイル拡張子(例:GeoTIFF:tif)

3.5.3. ファイル構成

サーフェスリフレクタンスプロダクトは以下のファイル構成で提供されます。

EULA_en.txt                                             # ライセンスファイル(英語)
EULA_jp.txt                                             # ライセンスファイル(日本語)
GRUS1A_20200811011052                                   
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_MSI_N42092355.tif          # マルチスペクトル画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_MSI_N42092354.tif          # マルチスペクトル画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_MSI_metadata.json          # マルチスペクトル画像メタデータ
│
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_MSI_UDM_N42092354.tif      # マルチスペクトル アンユーザブルデータマスクファイル
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_MSI_UDM_N42092355.tif      # マルチスペクトル アンユーザブルデータマスクファイル
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_MSI_UDM_metadata.json      # マルチスペクトル アンユーザブルデータマスクメタデータ
│
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_PAN_N42092354.tif          # パンクロマティック画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_PAN_N42092355.tif          # パンクロマティック画像
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_PAN_metadata.json          # パンクロマティック画像メタデータ
│
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_PAN_UDM_N42092354.tif      # パンクロマティック アンユーザブルデータマスクファイル
├─ GRUS1A_20200811011052_L2A_PAN_UDM_N42092355.tif      # パンクロマティック アンユーザブルデータマスクファイル
└─ GRUS1A_20200811011052_L2A_PAN_UDM_metadata.json      # パンクロマティック アンユーザブルデータマスクメタデータ

3.5.4. 大気補正

大気補正と大気の上部から下部への反射率の変換のプロセスは、6S放射伝達方程式とMODISセンサーからの大気データを使用して実行されます。ルックアップテーブルは6Sを使用して生成され、MSI製品に適用され、補正が行われます。

詳細についてはサーフェスリフレクタンスプロダクトガイドをご覧ください